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音楽の冗談

音楽、美術、映画、演劇、文学などの有名アーティストや、偉大な才能を持つ無名なアーティストたちに焦点を当て、彼らの業績や人生を一風違った視点で掘り下げます。

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「モナリサ」、「アンフォゲッタブル」、「スターダスト」などのヒット曲で有名なアメリカの国民的歌手、ナット・キング・コールは、今から42年前に肺癌のため46歳の若さでその才能を惜しまれつつ他界しました。面白いことに、彼の音楽家としてのスタートは、歌手ではなくジャズ・ピアニストでした。では、なぜ転向したのか、また、本名はナサニエル・アダムス・コールがナット・キング・コール(以下ナット)と呼ばれるようになったのはなぜか、彼の伝記と合わせて謎を紐解いていきます。

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アルト・サックス奏者の巨人チャーリー・パーカー(1920-1955)。独学で音楽を勉強しながら、若干15歳でプロデビュー、1940年代にはビ・バップジャズの黄金時代を築きます。即興演奏に主眼を置き、和製とリズムに於いて革新的な演奏スタイルはその後のモダンジャズに多大な影響をもたらしました。

しかしながら、パーカーの生き方は破滅型とも言えるスタイルで、麻薬、酒、女性関係、すべてに対して節操がなく、自らの命を縮めました。医師の死亡報告書には推定年齢が65歳と記入されましたが、享年34歳の若さでした。

このような破滅型人生を歩んだパーカーでしたが、晩年の数年間、平穏に過ごした時期があります。既に酒とドラッグに体は蝕まれ、精神的にも病んでいましたが、愛情を注げる妻とその連れ子が存在したからです。今回は最後の妻となった美しくき女性チャン・パーカーのお話です。

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2006年6月末でビートルズの日本公演からちょうど40年経ち、WOWOWでも特集を組んでいました。また、ビートルズのリーダー的存在であったジョン・レノン(1940~80)がニューヨークの自宅のダコタ・ハウス前でマーク・チャップマンに至近距離から5発の銃弾を受けて他界したのは40歳のときでした。「ジョン」という名前は、成礼名のヨハネのことで、欧米では最もポピュラーな名前です。ここにもうひとり40歳で他界した偉大なミュージシャンがいます。ジャズ界の巨星ジョン・コルトレーン(1926~1967)は、若いころの不摂生が災いし、肝臓ガンのために病死します。肌の色も境遇も全く違うこの2人のジョンは奇しくも意外な共通点が多々見受けられます。

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ジョン・レノン(1940~80)
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ジャズ界の巨星ジョン・コルトレーン

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夭逝したスコット・ラファロ伝


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高校1年生の時、まだJazzを聞き始めて間もない頃でしたが、オスカー・ピータソンの軽快な演奏に聴きなれた耳で、Bill Evansの名作「Explorations」の1曲目「イスラエル」をレコード針から聞いたとき、なんと美しいJAZZだろうと感銘した記憶が鮮明に残っています。特にベースがピアノ同様に「歌う」演奏スタイルは、ベースが奏でるメロディを口ずさむまで聴いても飽きませんでした。Evansと言えば、「Waltz for Debby」に最も人気が高いですが、私にとっては未だに「イスラエル」を超える演奏はありません。既にレコードは磨り減り、その後CDで演奏を聞き続けていますが、もし存在するならば、このRiverside盤の「イスラエル」のテイク2を聞いてみたいものです。


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